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「KOJIの病気、現状についてのご報告」ALICE IN MENSWEAR / KOJI

2022.02.22

ファンの皆様。お元気ですか?
ALICE IN MENSWEAR KOJIです。
今日は自分の病気の事についてお伝えしたい事があり、少し真面目にお話しさせて頂きます。
 
2020年の9月に食道ガンの手術を終えて、そこから退院までの約1ヶ月の間、手術による壮絶な痛みと闘っていた記憶があります。
事前に食道ガンの手術は大変大掛りだと十分に医師から説明を受けていました。
手術は無事に成功して食道にできたガンの全て、そして周辺の転移の可能性のあるリンパ節を可能な限り取り除く事ができました。
 
そして術後は傷が癒えるのを待ちながら、食道を取り除き胃の半分を食道として代用するという、肉体的にはとても大きく変化する事になったので、その新しい身体に早く慣れるためのリハビリを頑張っていました。
 
そして手術の傷も癒え始めた2021年の上半期に、主治医の先生から望んでいない残念な報告を受けました。
「身体の複数箇所にガンの転移が見られる」
との事でした。
 
正直転移の可能性はガンを患った以上あり得る事だと思っていたのもあり、転移が見つかった事については思ったほどのショックを受けなかったのも事実です。
ただ転移の場所によっては、もしかしたら今後のミュージシャン人生に悪影響を及ぼす可能性もあり得るのでそこは非常に気になる所でした。
 
そしてこの転移という事実を誰にどこまで話せばいいのかも思い悩みました。
でもmichi.には何一つ隠し事をしたくなかったし、彼自身も「どんな事がおきても、必ず受け止めるから何でも言ってね」と、日頃から愛のある言葉をかけてくれてたのもあって、michi.には正直に全て話して今の自分の状態を共有したいと思って相談したところ、全てを聞いてくれて正面から受け止めてもらえました。
 
そしてファンのみんなには、まず自分が治療を頑張ってガンの状態が良くなったら報告したいと思い、転移のことは公表せずに治療を続けようと決めました。
そんな日々の中でも当時の自分の感覚としては至って元気で、復帰に向けて頑張ろうと思い、とても前向きな新しい闘病の日々が始まりました。
治療と並行して復帰を目指すという一見大変そうに思われるかもしれませんが、自分としては復帰をしたいという強い想い、そしてガンを身体から消し去るんだという強い想いが生きるモチベーションになっていました。
 
しかしそこから数ヶ月、様々なガン治療に挑戦しましたがどの治療も効くことなく、ガンが少しずつではありますが成長していくという現実を受け入れざるを得ませんでした。
3つの病院に転院をし、最先端の点滴治療や、食道ガンではまだ保険の認可が下りていないような治験の薬にも挑戦しました。
といっても危険な治験に参加していた訳ではありません。
ガンの転移の発覚後に、自分の身体の事をより詳細に調べてゲノム解析という遺伝子レベルの検査をしました。
その検査の結果、まだ治験の段階ですが自分のガンにも、もしかしたら効果があるかも知れないという薬の存在を知り、効果がでる可能性は非常に低かったとしても少しでも良い結果に繋がるならと思い、治験のプログラムに参加しました。
結果としては自分の身体には効果がなかったのですが、それでもこの治験プログラムに参加することによって、ほんの小さな力かも知れませんが、今後誰かの役に立つようなデータが取れたかも知れないと思うと、闘病生活にも意味があるように思え少し心に光が差したような気分にもなりました。
 
2021年は小さな可能性にも希望を感じながら治療に明け暮れた1年でしたが、残念な事に自分のガンにはどの薬も全く効果がなく、自分がトライできる治療、そして服用できる薬の量、放射線量など選択肢がどんどん狭まり、今現在ではほぼできる治療はやり尽くし、残された治療と言えば副作用が非常に大きなものであったり、効果もそれほど期待はできないという治療しかなかったりします。
 
薬ではほとんど効果のなかったガン治療ですが、2021年の夏にトライした放射線の治療は大きな成果を得る事が出来ました。その時は脳と胸膜への転移が見つかったために、最新鋭の放射線治療にトライした結果、放射線の効果がはっきりと出て現在そのガンについては進行が止まっている状態です。
 
ファンのみんなには今まで「手術終えました」という報告以降は闘病生活についてはあまり多く語らずにきました。
語りたくなかった訳じゃありませんが、治療という闘病生活を頑張ってガンが消滅したという良いニュースをお届けしたいと強く思っていたので、まずは治療を頑張ろうと。そしてある程度の成果が見えたらファンのみんなにお伝えしたいと思っていました。
ですが、現実には思ったような成果は得られずにファンのみんなに伝えるタイミングを見失ってたという感じです。
ここまで書いた事も治療の全てではありませんが、たくさんの治療にはチャレンジをしてきましたし、今後もまたチャレンジできる治療薬があるのであればトライしていきたいとは思っています。
 
そういう思いは今ももちろん持ってはいますが、ガンが原因の痛みと毎日闘う日々が続いています。
 
ガンの転移の場所も、先ほどは放射線治療の話の流れで少し触れましたが、これ以上は詳しく話さないでおきたいなと今は思っています。
ガンという病気である以上、転移の可能性は常につきまとってくるからです。
そしてガンといえばステージも気になさる方もいると思いますが、こちらに関しても今は触れないでおきたいと思っています。
ご理解頂けたら嬉しいです。
 
ここまで病状についてお話をしてきましたが、こうやってファンのみんなに病状の話をしておきたくなったのには理由があります。
 
今現在4月に「Real Trip in 八ヶ岳」のリアル旅行の開催を告知しています。
募集の締切は現在は終了しましたが、新型コロナのまん延防止の状況を踏まえ、2次募集を始めさせて頂きました。詳しくはオフィシャルホームページをご覧ください。
 
そしてまだ告知はしていませんが、4月にはこの旅行イベント以外にライブの計画も立てています。
2021年12月にフルサイズのバンドのライブを経験し、ステージに立ち続ける事に自信をつけたばかりですが、転移したガンの影響で2022年の1月半ばくらいから主に背中の痛みの強さが激しくなる日があるなど、少し不安定な体調が現在も続いています。
痛みやその他、飲んでる薬の副作用もあるのか、食欲も極端に落ちて1週間で5kgほど体重が落ちたりするそういう日々を過ごしていました。
そんな中ライブの告知がなかなか出来ないままでいます。
というのも、今の体調と体力では2時間のステージを駆け抜ける自信がないのが理由です。
長い目で見ても今後のライブに対してどのような形で関わり続ける事ができるのか、自分一人だけではなくmichi.とも一緒に考え現状で出せるベストを模索しています。
 
自分の体調が原因でライブが行えないとなると、michi.がステージで歌うという、彼にとっては人生そのものである歌を歌う事を奪ってしまう事になる。
それは絶対に避けたい。
ですがもし自分がステージに立たない形でライブを行うと、ライブを観たファンのみんなはステージにKOJIがいないALICE IN MENSWEARに違和感しかないのも容易に想像ができます。
でも、残念ながらそういう状況になってしまったのは事実で、その中で自分が出来る事を考えてきました。
 
ひとつ見つけた発見が、12月のライブから導入した擬似ツインギターシステムによるライブです。
どういうものかといいますと、ステージ下手に実際にギターアンプを設置して事前にその日のために演奏を録音したデータを入力してアンプを鳴らすというものです。
CDとして既に録音された音をPAから鳴らすよりもはるかに生々しく、実際に真空管アンプを鳴らす事によって得られるライブ感はめちゃくちゃ迫力がありました。
このシステムを応用、進化させ、普段は自分が弾いている上手のギターの音も事前に録音し、実際に自分が演奏しているアンプを通してライブを行うという形です。
この方法だと当日ステージに立てなくても、音を奏でるという側面からはライブにエネルギーを込める準備を含めて、今までと変わらない温度感で出来て、現状を解決できる最適解ではないかと思いました。
 
こうしたかなり変則的な形でのライブになりますが、近日中にライブ日程等を公開予定です。
ファンの全員が受け入れてくれるスタイルではないかも知れませんが、自分はこういう形を選んででもALICE IN MENSWEARのライブ活動は継続していきたいと強く思っています。
そしてそれもまた自分が元気になってステージに立てるようになった時の為に必要な事だとも思っています。
 
ここまで長くなってしまいましたが、ガン発表以降の自分の病状について、そして今後の活動についてお話をさせて頂きました。
今後憶測で色々とネット上には意見が出る事も予想されます。
自分を関係者だと名乗り、KOJIはこのように言っていたというようなデマも流れるかもしれません。
想像も出来ない角度からの誹謗中傷もあるでしょう。
ですから、ファンの皆様はメンバーの口から発せられる言葉以外は決して信じないでください。
デマの言葉を信じてファンのみんなが悲しんだりする事が自分は一番辛いからです。
なのでmichi.、KOJI以外から聞いた情報は全てデマだと思うくらいの気持ちでいてくれると嬉しいです。
なぜならば、SNS等で私に関する誹謗中傷が仮にあったとしても自分は何とも思いませんが、その誹謗中傷を見たファンの方達が悲しく苦しい思いをするのはやはり自分は絶対に嫌なのです。
なので誹謗中傷を見かけたとしてもサラっとスルーするくらいの強い気持ちでいてくれたら嬉しいです。
ファンのみんなとの強い絆があれば余計な雑音など気にならないですし、あなたが応援するKOJIというアーティストはそんな些細な事で傷つくような人間ではなくて、もっともっと強い人であると信じてくれたら最高に嬉しいです。
 
今回のお話でショックを受けた方もいらっしゃると思います。
でも自分はどんなに体調が悪くなっても心の中には幸せが溢れています。
それは自分がなりたいと思って憧れたプロのギタリストとして人生を歩めた事。
たくさんの出逢いがあって今ここに生きている事。
そして現在進行形でギタリストとしてALICE IN MENSWEARを結成し、michi.と一緒に自分が納得する音楽を創る事が出来ているというのが幸せの源です。
この幸せを1日でも長く、そしてファンのみんなには1曲でも多く音楽をお届けできるようにこれからも今までと変わらずに頑張っていこうと思っています。
 
長い文章になりましたが最後まで見て頂きありがとうございました。
そしてこれからもALICE IN MENSWEARのギタリストとしてmichi.と共に人生をかけてきた音楽やギターと向き合い、寄り添いながら、曲を創り、1日でも長く音楽を奏でれるように日々精進で頑張ろうと思っています。
 
これからもよろしくお願いします!